アクアリウムでは水槽の底に敷く物を底床(ていしょう)、または底床材(ていしょうざい)と言います。
水槽をこれから立ち上げる時には、どういう魚を飼うか?によって底床材を選ぶ事も重要です。「飼う魚も決まってないしなー、とりあえずこれでいいか!」みたいなノープランのノリで底床材を選んでしまうと後々リセットするのも大変です。
これから選ぶ方でどれにするか迷っている方もいるかもしれません。そこで代表的な底床材やどのくらいの割合で掃除した方が良いか?について見ていきたいと思います。
もくじ
砂利
砂利は魚の種類を選ばずに使える最もポピュラーな底床材です。粒の大きさ、色などバリエーションもいろいろあります。
ちなみに砂利は礫(れき)とも言い、『粒2mm以上の岩石片の総称』、という定義があります。
掃除頻度:月1回くらい
- 一粒一粒が大きいので、ソイル(後述)などと比べると潰れる事がないので掃除しやすい
- 大きさ、色、素材などバリエーションが豊富
- 導入時に洗う回数が少なくて良い物が多い
- 海で採取された砂利など、物によっては水質がアルカリ性に傾く事がある
砂
コリドラスを飼うならオススメです。私も最初はソイルを使っていましたが、コリドラスのために砂に変えました。
愛好家の間でよく言われる”モフモフ”を愛でるには砂が底材の必須アイテムになります。コリドラスが敷いた砂に豪快に顔を突っ込んでモフモフする姿や軽めのタッチで砂を吸いエラからスポポポっと吐き出す仕草は可愛くてたまりません。砂粒の角が取れたコリドラス用の底床材も販売されています。
ドジョウ、エイ、カレイなど砂に潜る習性がある魚を飼うのにもオススメの底床材です。
掃除頻度:月1回くらい
- 飼う魚によっては本来の生態を鑑賞し、楽しむ事ができる
- 砂は明るい色のものが多いので水槽の雰囲気が明るくなる
- 粒が細かいものが多いのでフィルターの巻き上げに注意が必要
- 掃除の時に水が濁りやすい
- 掃除の時にプロホースなどの道具を使ってもある程度吸い上げて排出してしまう
ソイル
ソイルは土を焼き固めたもので水草育成には欠かせません。
水槽内のアンモニアなどを吸着します。
バクテリアが住み着きやすく、水がきれいになりやすいです。
ソイルは導入直後に水質が不安定になったり亜硝酸塩が検出されやすいので使う際には注意が必要です。導入してからフィルターなどでろ過が十分に機能してから生体を入れるようにしましょう。
掃除頻度
水草ありの場合:水草の生育に問題がないようなら6か月くらい
水草なしの場合:3か月~6か月くらい
- 多孔質なのでバクテリアが住み着きやすいやすい
- 水槽内の有害な亜硝酸やアンモニアを吸着してくれる
- ミネラル分を多く含むので水草育成に最適
- 土を焼き固めたものなのでいずれ崩れる→寿命がある
- 強い力を加えると崩れる可能性がある
- 立ち上げ時に水質は安定するまで時間がかかる
何も敷かない
上記のいずれも使わずに何も敷かない状態、水槽のガラスむき出しのままの飼育する水槽の事をベアタンクと言います。ペットショップやブリーディングしている水槽などでよく見られます。
糞や餌の食べカスなどの汚れが見つけやすく掃除等のメンテナンスが非常に楽です。
砂利、砂、ソイルの底床材と比べるとバクテリアが棲み付けず、ろ過能力に不安があります。
実際にベアタンクで飼っている方は底床材を入れない代わりに流木や石など、またそれらにモスや水草を活着したものなどを入れて水質を安定させていることが多いです。
- 掃除などメンテナンスが楽
- 底床材購入の費用が抑えられる
- 他のレイアウト材を置かないと殺風景に感じる
- 飼う生体が本来過ごしていた自然の環境と大きく異なる
- 生体によっては体色が出ないこともある→底床材には色揚げ効果がある
- 生体の隠れる場所がない
まとめ
ざっくりとですが、熱帯魚飼育でポピュラーな底床材について見てみました。
最後の方にもありましたが、底床材には色揚げ効果もあり、熱帯魚が本来持つ美しい姿を引き出すことが出来ます。
どんな魚を飼いたいか、どんなレイアウトが好みか、飼いたい魚が暮らしている環境はどんな感じか、などを考慮しつつベストな底床材を選んでみてください。
実際導入してみて「この底床材は違うなー」なんていう話はよくある話です。
そういう時は飼っている魚たちには少し迷惑をかけて申し訳ないですが、リセットしてより良い環境作りを目指してみてください!